耳元でラフマニノフが切なく響く。からっぽの心に入れるべき栄養はない。
切った髪は思いのほか軽い。心の中はこんなに重たいのに。

すべてが駄目になってしまうような気がした。
持っているもの全部が失ってしまいそうな危ういものだからこそ、一つでも失うのが恐い。

どんなに暑くたって、心の中は雪が降っているのと同じ。